新大阪に建つルーフガーデンのあるオフィスビル|外観
ワッペンを製作する会社のオフィスビルです。
金型から、色付けや縫製まで一貫して行うことで「質」と「デザイン」に
こだわりを持ち、作品を生み出している企業です。
このような会社のポリシーを「素材」や「カタチ」といった要素で
社会へ対し表現するのが建築の役割であり、今回の計画では、
重厚感と斬新さを合わせ持つようなデザインに、
会社のロゴであるタマゴの黄色をアクセントカラーとして加えました。
最上階には、屋上庭園に面した事務室と会議室をL型に配置し、
お客様を迎え入れる場として空間を演出をしました。
新大阪に建つルーフガーデンのあるオフィスビル|庇
マーケテックのポリシーである「全て手作業で行う」という行為を、
建築の仕上げにも適用する。
ハンドメイドのスクラッチタイル(茶)と左官コテ仕上げ(白)といった
本物の素材をコーディネートし落ち着きのある飽きのこないデザインとする。
又、建物のボリュームに凹凸を付けることでユニークな表情を見せる。
ファサードは、くの字に折れ曲がり、建物に陰影を付ける。
庇部分は、外壁に沿って延長させることで建物に表情を与える。
ヒューマンスケールで建物を見上げた時、飛び出した庇が青空に映え、
凛としたたたずまいを見せる。
新大阪に建つルーフガーデンのあるオフィスビル|サイン
企業の「サイン」であるワッペンを作る企業であるがゆえ、
自社のサインには、こだわりたい。
ファサード(建物正面)に大きく張り出したボリュームを白色の左官で仕上げ、
ロゴの黄色を合わせる。
これにより全体に落ち着きのある外観にインパクトを与える。
周囲のコンクリート塀は、杉板型枠のコンクリート打ち放しで仕上げる。
一部、ロゴを型枠に仕込み、掘り込みの文字を造る。
新大阪に建つルーフガーデンのあるオフィスビル|夜景
壁面に設置したサインの夜景。側面と裏面が発光する。
白色のジョリパットで仕上げた 壁面に対して、浮かして設置することで
バックライト効果を発揮する。
夜間黒い塊となった建物のシルエットに対し、
内部から漏れる明かりがコントラストを演出する。
新大阪に建つルーフガーデンのあるオフィスビル|エントランス
メインの玄関を入ると、奥へと細長く続くエントランスホールがある。
レンガ・錆塗装・コンクリートといったシックな素材で全体をまとめ、
アイストップにアクセントカラーの黄色を入れ、額縁を飾る。
スチールプレートをリン酸処理で仕上げた受付台は、
天板に黄色のカラーガラスを使い、アクセントとする。
新大阪に建つルーフガーデンのあるオフィスビル|ギャラリー
エントランスホールには、アクセントカラーの黄色の壁に
黒色の額に入れたワッペンを飾る。
ここは、急な来客に対応できる打合せスペースとなり、
企業のポリシーを示す展示スペースを兼ねる。
天井は錆塗装で仕上げ、黄色と茶色のコーディネートとする。
ユニバーサルダウンライトを仕込み、額を照らす。
新大阪に建つルーフガーデンのあるオフィスビル|受付
エントランスの導入部分は、壁一面をフロストの
プロフィリットガラスで仕上げる。
これは、外から中への視界をさりげなく遮ると共に、
中の気配を感じる事が出来る。
又、フロストのプロフィリットガラスを透過した光は、
エントランスホールをやわらかく包み込む。
受付台の手前に待合の椅子を設け、その正面にはメインの額を飾る。
導入部分から企業のポリシーを示す場となる。
新大阪に建つルーフガーデンのあるオフィスビル|事務室
4階に設けられたメインの事務空間。
白色で明るくまとめられた事務空間と茶色でシックにまとめた
通路部分が、緩やかに連続し、ルーフガーデンへと繋がる。
事務空間の正面の壁は、アクセントカラーの黄色で仕上げ
企業のロゴを掲げる。
それぞれの事務机の背面に専用の書棚を設け移動量を少なくし、
効率の良い業務ができるような配置とする。
机や書類棚は、全て建築家のオリジナルデザイン。
新大阪に建つルーフガーデンのあるオフィスビル|ロゴ
事務空間の正面の壁は、アクセントカラーの黄色で仕上げ、
黒色のサインを掲げコントラストを付ける。
黄色の壁は、左官で仕上げ凹凸を付ける。
サインは、曲線で面取りをした立体感のある仕上がり。
タマゴのロゴは黄身の部分を、くり抜きバックの黄色い壁が
透けて見える仕掛け。
モダンな空間の中に質感のあるアンティーク家具を合わせる。
スイッチプレートにも質感のある物をセレクトし、細部にまでこだわる。
新大阪に建つルーフガーデンのあるオフィスビル|キッチン
事務室の道路に面した一角にキッチンスペースを設ける。
ランチミーティングやお酒を飲みながらの意見交換など、
気分転換をしながらディスカッションする事で、
良いアイデアが浮かぶことも…
キッチンはスタイリッシュなトヨーキッチンのINOシリーズ、
床はアンティークな無垢フローリングのヘリンボーン貼とする。
異素材をコーディネートすることでオシャレな空間を演出する。
新大阪に建つルーフガーデンのあるオフィスビル|バー
キッチンカウンターの上部にクラックガラスのペンダントライトを設ける。
まるでバーにいるかのような雰囲気を演出する。
カウンターチェアは、フィリップスタルクがデザインした
S.S.S.S. (エス・エス・エス・エス)
新大阪に建つルーフガーデンのあるオフィスビル|会議室
ルーフガーデンに面したメインの会議室は、
部屋全体をエンジニアウッドで仕上げ、高級感を演出する。
ランダムに設けた折り上げ天井が、シンプルにまとめた空間に
変化を付ける。折り上げ天井には、
間接照明を仕込み、空間をやわらかく包み込む。
バックの壁にはさりげなく額を掲げ、企業のポリシーを示す。
新大阪に建つルーフガーデンのあるオフィスビル|会議室
会議室の上座に座った時にルーフガーデンが
眺められるような配置とする。
お客様を招く場所を最も心地良い空間とする事は、
企業のイメージアップにも繋がる。
新大阪に建つルーフガーデンのあるオフィスビル|造り付け家具
会議室に設けた、引き出しや棚、クローゼットといった
造り付け家具も内装と同じエンジニアウッドで仕上げる。
造り付け家具は、全て建築家のオリジナルデザイン。
クローゼットの取っ手には、アイアンの製品を合わせる。
新大阪に建つルーフガーデンのあるオフィスビル|ルーフガーデン
最上階には、ルーフガーデンに面した事務室と会議室を
L型に配置し、空間を演出する。
大きなウッドデッキにサークル状の芝生を配置する。
天気の良い日には、気分を変えて空を眺めながら
屋外で考え事をするのも良し。
夜間には、スポットライトが芝生を照らし空間を演出する。
新大阪に建つルーフガーデンのあるオフィスビル|動線計画
ルーフガーデンから会議室を見る。
会議室に扉を設ける事で、お客様が会議室へ向かう時に
ルーフガーデンを通過して行く事もできる。
動線計画を演出する事で、気持ちを盛り上げる仕掛けとなる。
新大阪に建つルーフガーデンのあるオフィスビル|夕景
ルーフテラスから事務空間を見た夕景。
重厚感のあるレンガタイルで仕上げた庇が水平のラインを
強調し、白色に塗装した柱がそれをしっかりと支え、
ガラス面が軽快に奥行きを演出する。
左手がキッチン、右手が事務空間となり、
それぞれ照明の色温度を変えて空間の質の違いを表現する。
新大阪に建つルーフガーデンのあるオフィスビル|トイレ
お客様用のトイレは床を黒の大理石モザイクタイル、
壁を三角形にカットされた白のモザイクタイルで仕上げる。
ゼブラウッドを茶色く染色した箱に白色のカウンターと
大きな洗面器を乗せ、さわやかな印象にまとめる。
前面は、大きな鏡を設け空間に広がりを出す。
新大阪に建つルーフガーデンのあるオフィスビル|小会議室
班分けして利用できる小会議室が並ぶ。
ガラス面にグラデーションのかかったフィルムを貼る事で、
内外をやわらかく間仕切る。
中側から白色のウッドブラインドを下ろすと、
隠蔽して利用する事もできる。
壁は、青色のポーターズペイントで仕上げ、
各部屋を厚みのある白色のフレームで切り取る。
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